タックスヘイブンって何?
今回のテーマは「タックスヘイブン」についてです。
一度は耳にしたこともあると思いますが
『結局のところ何なのか?』説明できる人は少ないです
「パナマ文書」として流出し、公になった際には世界中でニュースとなりました。
そもそも何なのか解説していきます。
タックスヘイブンとは
▶一定の課税が著しく軽減、ないしは完全に免除される国や地域のことであり、租税回避地とも低課税地域とも呼ばれることもあります。
▶主に税制上の優遇措置を地域外の企業に対して戦略的に設けている国や地域を指します。
▶多国籍の企業や各国の富裕層が、法人税や源泉徴収税が少ないタックス・ヘイブンに資産を流用し、オフショア取引を利用して租税回避するケースが多く、2016年5月に公表された「パナマ文書」では、その利用実態の一部が明らかになりました。
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脱税行為や利益移転、マネーロンダリング、犯罪・テロ資金隠匿などに悪用されることもある現状です。
主なタックスヘイブン
タックスヘイブンのメリット
▶無税、所得税がない、租税条約(税金に関する他国との取り決め)を締結していないことで税金をなくす、抑えることができる(通称 タックスパラダイス)
▶個人の資産や所得を隠すことができる。
▶ある特定の事業を行う企業に税の優遇措置を行っている(通称 タックスリゾート)
▶国外の所得に課税をしない(通称 タックスシェルター)
※これに関しては、タイなどもそのような政策を行い、外国人富裕層の移住促進を図っています。
▶租税条約あるものの、税率が低く、配当に対して源泉課税がされないなど
※香港などは、法人税が最高でも18%となっています。
▶会社を迅速かつ、簡単に設立できる。
▶あからさまな脱法行為は「タックスヘイブン対策税制」が適用され、追加課税が要求される場合もあります。
▷近年は「相続税」にも注目が集まっています。
タックスヘイブンのデメリット
▶違法性はないが「パナマ文書」「ペーパーカンパニー」などネガティブな印象が多いことで信用性を落とす、それ自体が限りなくグレーゾーンに近い行為であること。
▶反社会的勢力のマネーロンダリングに利用され悪用される可能性がある。
違法性について
▶その国の法律に基づいて課税が行われているため、特に二重課税のない日本では違法ではないと考えられていますが、国際的に見ても取り締まりは年々強化されています。
▶2016年には京都でOECD(経済協力開発機構)租税委員会が開かれ、各国に対して口座情報を開示するように要求し、その要求に答えなかった国は「悪質」と判断され、ブラックリスト化されることが決まりました。
反社会的勢力のマネーロンダリングの可能性について
▶タックスヘイブンは、テロや麻薬など反社会的勢力のマネーロンダリングの拠点として利用されてしまうことがあります。
タックスヘイブンを利用する企業
スターバックス
▶本社はアメリカのシアトルにありますが、世界30カ国に事業展開している大手のコーヒー専門店で、イギリスにも700店舗以上あります。
▶過去15年間のうち14年間、スターバックスは損失を出していたというのです。
アップル社
▶アップル社はタックスヘイブンを利用した悪質な「税逃れ」のモデルとして上院小委員会からヒアリングを受けています。
▶アップル社の本社はカリフォルニア州にありますが、アイルランドに3つの子会社を持っています。
▶アメリカとアイルランドでは課税に対する考え方が異なっており、アメリカでは会社の設立地がどこにあるかによって課税しますが、アイルランドでは会社をコントロールする拠点がどこにあるかによって課税しています。この課税原則の違いを巧妙に利用してアイルランドからもアメリカからも課税されないという「税逃れ」を行っていました。
日本企業
▶みずほフィイナンシャルグループの子会社が45社、ソニーが34社、三井住友フィナンシャルグループが27社、三井物産27社、三菱商事24社となっています。
▶銀行や商社が多くなっており、特に三井住友フィナンシャルグループはケイマン諸島だけで18の子会社を持っていて、その資本金は3兆円にものぼっています。
まとめ
▶世界のお金持ちのほとんどが利用している現状で、そんな中規制も厳しくなっている現状です。
▶国をまたぐことで、法律の穴をついている形であるため、当然デメリットも存在します。
▶現在、「相続税」への利用も多く、移住の目的が「税金逃れ」」である富裕層も増えています。
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